虫刺されDermatology
虫刺されとは

虫刺されとは、蚊やダニ、蜂などの昆虫に刺されることで起こる皮膚の炎症反応を指します。虫の毒素や唾液成分が皮膚に注入されることで、かゆみ・赤み・腫れ・水ぶくれなどの症状が現れます。
症状の程度は虫の種類や個人の体質によって異なり、中にはアレルギー反応や感染症を引き起こすものもあります。特に小児や高齢者、アレルギー体質の方は注意が必要です。
虫刺されの種類と特徴
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蚊
もっとも一般的な虫刺されです。刺された直後から強いかゆみと赤い膨疹が現れ、数時間から数日で自然に治癒しますが、掻き壊しによる二次感染に注意が必要です。
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毛虫
毛虫の毒針毛による刺傷は、広範囲にわたる紅斑や激しいかゆみ、小さな水ぶくれが生じることがあります。触れただけでも反応が出るため、早期の皮膚科受診が推奨されます。
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ダニ
家庭内にいるイエダニやツメダニは衣類の下など柔らかい部位を好んで刺します。刺された箇所は赤く腫れ、かゆみが強く長引く傾向があります。特に寝具の衛生管理が重要です。
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蜂
蜂に刺されると、刺入部の強い腫れや痛み、熱感が生じます。過去に蜂に刺された経験がある方はアナフィラキシーショックに注意が必要です。症状が全身に及ぶ場合は、緊急対応が必要です。
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マダニ
マダニは皮膚にしっかりと吸着し、数日間にわたり吸血を行うため、気付かないうちに感染症(重症熱性血小板減少症候群[SFTS]など)を媒介するリスクがあります。無理に引き抜くと体の一部が皮膚内に残り、炎症や感染症の原因となるため早期の専門医受診が推奨されます。
乳幼児が虫に刺されたときは
皮膚が薄く、虫刺されに対する炎症反応が強く出やすい傾向があります。
掻き壊しによってトビヒ(伝染性膿痂疹)になることもあるため、症状が強い場合は自己判断せず早めに皮膚科を受診してください。抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬で適切に対処することで、悪化を防ぐことができます。
皮膚科に受診した方が良い症状
虫刺されの多くは自然に治癒しますが、以下のような症状がある場合は、皮膚科の専門的な診療が必要です。
- 強いかゆみや痛みが数日以上続く
- 腫れが日に日に悪化している
- 水ぶくれ、膿、ただれが見られる
- 発熱や倦怠感など全身症状がある
- 一度良くなっても再発を繰り返す
- アレルギー症状(蕁麻疹、呼吸苦など)が出た
特にマダニによる刺傷や蜂刺されでは、適切な処置を怠ると重篤な合併症を招く恐れがあるため、医師による早期診断が不可欠です。
虫刺されの治療方法
当院では、症状と原因に応じて以下のような虫刺されに対する専門的治療を行っております。
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薬物療法
- ステロイド外用薬:炎症を鎮め、かゆみや腫れを緩和します。
- 抗ヒスタミン薬(内服):アレルギー反応によるかゆみを抑制。
- 抗菌薬:掻き壊しによる感染(二次性とびひ)に対して使用。
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マダニ除去・外科的処置
マダニが皮膚に付着している場合は専用の器具や切開によって適切に除去し、抗生物質の投与や感染症の検査を行います。
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アレルギー対応
蜂刺されによるアナフィラキシーが疑われる場合はエピペンの使用指導や、アレルギー専門医との連携も含めた包括的対応を行っています。
よくある質問(FAQ)
市販薬で治らない虫刺されは皮膚科に行くべきですか?
はい。3日以上症状が改善しない場合や、水ぶくれ・化膿が見られる場合は皮膚科での治療が必要です。
虫刺されが再発するのはなぜ?
寝具や衣類にダニが潜んでいる可能性があります。また、アレルギー体質の方は過敏反応を繰り返すことがあります。
妊娠中でも虫刺されの薬は使えますか?
妊娠中でも使用可能な薬はあります。皮膚科医が安全性を考慮して処方いたしますので、必ずご相談ください。
虫刺されから感染症になることはありますか?
あります。とくにマダニ刺傷や掻き壊しによる細菌感染には注意が必要で、早期治療が重要です。
虫刺され治療は皮膚科へ早めの相談を
虫刺されは軽く見られがちですが、放置すると症状が長引き、色素沈着や感染症のリスクを招くことがあります。当院では、虫刺されに対して症状や原因に応じた専門的な治療と生活指導を提供しています。
特に重症化しやすいお子様や高齢者の方、過去に強いアレルギー反応を起こしたことがある方は、ぜひ早めに皮膚科をご受診ください。
虫刺されにお悩みの方は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。皮膚科専門医が適切な診断と治療を行い、安心して日常生活を送れるようサポートいたします。