イボDermatology
イボとは
イボは、皮膚表面にできる小さな隆起で、ウイルス感染が原因で発生することが多いです。主にヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となり、接触感染によって広がります。
イボは体のどの部位にも発生しますが、手や足、顔にできることが一般的です。また、美容的な観点からも治療を希望される方が多くいらっしゃいます。
イボの種類
イボにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や治療方法が異なります。
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尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
特徴
一般的なイボで、手や指、膝などによく見られます。表面がざらざらしており、時には複数個がまとまって発生します。
原因
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。
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足底疣贅(そくていゆうぜい)
特徴
足の裏にできるイボで、圧力がかかるため平らに見えることが多いです。中心部に黒い点(毛細血管の血栓)が見える場合があります。
症状
歩行時に痛みを伴うことがあり、タコや魚の目と間違われることがあります。
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扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
特徴
平らで小さなイボが顔や手の甲、腕に多発します。表面は滑らかで、肌色や薄茶色をしています。
好発年齢
主に子供や若い人に発生しやすいです。
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尖圭コンジローマ
特徴
性感染症の一種で、デリケートゾーンに小さなイボが多発します。見た目はカリフラワー状になることがあり、他の部位に広がる可能性があります。
原因
性行為を通じたヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
当院のイボ治療
冷凍凝固療法によるイボ治療
冷凍凝固療法は、イボ治療において広く用いられる方法の一つで、液体窒素を使用してイボを冷却・凍結する治療法です。
液体窒素によってイボ組織を急速に冷却し、ウイルスを含む病変組織を破壊します。
冷却時に若干の痛みやヒリヒリ感を伴うことがあります。
治療後、患部は数日から1週間程度でかさぶたが形成され、自然に剥がれ落ちます。また、イボの部位や大きさによっては複数回の治療が必要な場合があります。
モノクロロ酢酸によるイボ治療
モノクロロ酢酸とは強い酸性を持つ化学物質で、モノクロロ酢酸溶液をイボに塗ることでイボの組織を腐食・壊死させ、取り除くことができます。
痛みが苦手な方やお子様のイボ治療に向いていますが、冷凍凝固療法と同様に複数回の治療が必要な場合があります。
日本皮膚科学会が発表している尋常性疣贅診療ガイドラインでも治療選択肢の1つとなっています。
多発したイボについて(扁平疣贅)
炭酸ガスレーザーによるイボ治療(自費診療)
炭酸ガスレーザーは、イボ治療において非常に効果的な方法の一つです。この治療法は、正確にイボを除去できるため健康な皮膚へのダメージを最小限にするというメリットがあります。
さらに、治療後の傷跡が目立ちにくく、美容的な観点でも優れています。当院では最新の炭酸ガスレーザー機器を導入し、安全かつ効果的な治療を提供しています。
難治性のイボについて
Vビームによるイボ治療(自費診療)
冷凍凝固療法によるイボ治療が一般的ですが、難治性のイボも存在しています。その際に当院ではVビームによるイボ治療を行っています。
Vビームは血液中のヘモグロビンに反応して血管を破壊する作用があるため、ウイルスへの血管栄養をレーザーにより熱破壊し、ウイルスに感染した部位全体にダメージを与えることが可能です。尋常性疣贅は肥厚した角質の下に豊富な血流があり、この血管から酸素と栄養を受け取って成長しています。Vビームにより血管を破壊することで、イボを死滅させ治療を行います。
その他、内服、貼り薬など痛みのない治療もできます。
よくある質問(FAQ)
イボ治療は痛いですか?
冷凍凝固療法は痛みがあります。モノクロロ酢酸による治療は痛みが少ないです。どちらの治療も回数がかかります。CO₂レーザーは麻酔テープや麻酔クリームを使用してから治療を行います。
イボは自然に治りますか?
一部のイボは自然に消えることがありますが、時間がかかる場合や悪化するケースもあるため、早めの治療をお勧めします。
イボ治療後のケアは必要ですか?
はい。治療後は患部を清潔に保ち、医師の指示に従ってください。また、再発を防ぐために免疫力を高める生活習慣を心がけましょう。
保険は適用されますか?
医療保険が適用される場合が多いですが、治療内容によっては自費診療となることもあります。詳しくは診察時にご相談ください。