酒さ(赤ら顔)Dermatology
酒さ(しゅさ)とは?
酒さ(しゅさ)とは、顔の中心部(特に頬・鼻・額)に慢性的な赤みが生じる状態の総称で、赤ら顔と呼ばれ、日本人女性の約15〜20%が何らかの酒さの症状を持つとされるデータがあります(※日本皮膚科学会 酒さ診療ガイドラインより)。酒さには明確な疾患が背景にあるケースも多く、放置すると悪化や慢性化を招くことがあります。
酒さの主な疾患は下記です。
酒さ(しゅさ)の原因と特徴
酒さは、主に中年以降に発症する慢性炎症性の皮膚疾患で、顔面の中心に赤みや血管拡張が見られます。40歳以上の女性の約10%にみられるとされており、日本でも徐々に認知が進んでいます。
主な症状
- 顔の中心の慢性的な赤み
- 毛細血管の目立ち
- 火照り
- ヒリヒリ感
- 丘疹(赤いぶつぶつ)
酒さは、紫外線、摩擦、アルコール、気温差、ストレス、香辛料、化粧品、医薬品などがトリガーとなり悪化しやすいとされており、根治は難しいものの、適切な治療でコントロール可能です。
酒さの種類
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紅斑毛細血管拡張型
顔が赤くなり、毛細血管の拡張がみられます。
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丘疹膿疱型
赤い盛り上がりや膿のたまったニキビのようなぶつぶつがみられます。
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鼻瘤
鼻を中心に腫瘤を形成します。
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眼型
眼の充血、異物感やかゆみ、乾燥、まぶしさを感じます。
酒さの治療法
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内服薬
症状に応じて抗生剤、抗アレルギー剤
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外用薬
- メトロニダゾール(ロゼックス)
- アゼライン酸外用薬(自費)
・抗炎症作用
アゼライン酸は、活性酸素種(ROS)を抑制し、皮膚での好中球の活性を低下させることで、炎症性の赤みや丘疹・膿疱型の酒さの症状を和らげるとされています。
・毛細血管の過剰な拡張を抑制
赤ら顔は、毛細血管の拡張(毛細血管拡張症)によって生じるケースもあります。アゼライン酸は血管自体への直接作用は限定的ですが、炎症の軽減によって血管の反応性を抑え、赤みの改善に寄与します。
・抗菌作用
皮膚に常在するアクネ菌に対する抗菌作用もあり、炎症の引き金となる菌の増殖を抑制する効果もあります。これが炎症性酒さにおいても有効とされる理由のひとつです。 - イベルメクチン(自費)
イベルメクチンは、酒さの中でも特にニキビダニが関与するようなケースに有効です。
また、炎症に関係のある物質を作りにくくして、炎症を抑える働きも期待できます。
酒さのポツポツとした症状(丘疹膿疱型)には、1日1回の外用でメトロニダゾールよりも効果があらわれやすく、刺激や副作用が少ないという研究結果もあります。
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レーザー治療
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VビームⅡ(色素レーザー治療)
VビームⅡは595nmの波長をもつ色素レーザーで、拡張した毛細血管に選択的に反応し、赤みの原因となる血管を破壊します。そのため、赤アザ・赤ら顔・ニキビやニキビあとの赤みなど、あらゆる赤みを伴う皮膚の病変に対して効果が期待できます。
米国FDA(食品医薬品局)でも赤ら顔に対する治療効果が認可されており、酒さや毛細血管拡張症に対するエビデンスレベルの高い治療法です。- 平均施術回数:5~10回(症状により変動)
- 治療間隔:4〜6週間 保険適応 (3ヵ月に1回)
- ダウンタイム:浮腫・内出血
- 適応例:気温差で顔が火照る、化粧で隠しきれない頬の赤み、過去に他の治療で改善しなかった方
●保険適応でVビームⅡを受けるには
VビームⅡで治療可能な「赤あざ」とも呼ばれる良性の腫瘍である単純性血管腫は、保険の対象となります。鼻の周辺や頬に赤みが広がる「毛細血管拡張症」や、生後間もなく現れる「乳児血管腫(いちご状血管腫)」なども保険診療の対象となり、一般的に3割負担で治療を受けることが可能です。 一方で、「酒さ」は中年以降の女性に多くみられる原因不明の慢性的な皮膚疾患で、これに伴う赤ら顔については保険が適用されないこともあり、自費診療となるのが一般的です。さらに、アトピー性皮膚炎による顔の赤みや、ニキビが治った後に残る赤みの改善も、原則として自由診療での対応が求められます。
どの症状が保険診療の範囲に含まれるかは、最終的に医師による診断結果によって判断されます。ご自身の症状が保険適用となるかどうかを知りたい場合は、まずは皮膚科専門医に相談されることをおすすめします。
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ジェネシス(ロングパルスYAGレーザー)
ジェネシスは、肌表面に直接触れることなく、肌内部の微小血管を優しく加熱し、血流の安定とコラーゲン生成を促します。特に赤ら顔+毛穴の開き・肌のざらつきも気になる方に最適です。
- 刺激が少なく、施術中は温かさを感じる程度
- ダウンタイムがほとんどない
- 月1回のペースで継続治療が理想
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毛細血管拡張症の原因と特徴
毛細血管拡張症とは、真皮浅層の毛細血管が拡張し、皮膚表面から透けて見える状態です。加齢や遺伝、ホルモンバランスの変化、慢性的な刺激(摩擦・過洗顔)などが原因で、酒さの一部としても分類されることがあります。
日本人女性を対象にした研究では、30代以上の約25%に軽度の毛細血管拡張所見が見られたとの報告もあり、意外と身近な症状といえます。
赤ら顔は様々な皮膚疾患と症状が類似しており、以下のような疾患との鑑別が重要です。
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酒さ様皮膚炎
(口囲皮膚炎:鼻の下から口の周囲や顎)ステロイドやタクロリムス等の長期外用によっておきる
治療 酒さ同様、内服薬・外用薬・レーザー治療
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脂漏性皮膚炎
顔面の赤み+鱗屑(フケのような皮むけ)+かゆみを伴う。鼻周囲、眉間など脂漏部位
治療 抗真菌剤。ステロイドの外用。
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アトピー性皮膚炎
湿疹、赤み+かゆみが強い
治療 抗アレルギー剤の内服、ステロイドの外用、紫外線療法、物質的製剤
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顔面毛孔性紅斑黒皮症
耳前部から頬の外側にかけて対称性に毛孔一致性の赤みやざらつき、腕や太ももの毛孔性苔癬を併発していることが多い。
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生理的な赤み
運動、入浴、寒暖差などで一時的に血管が拡張し、短時間で消える自然な赤み。
誤診による不適切な治療を防ぐため、専門的な皮膚科医の診察が不可欠です。
赤ら顔のスキンケア指導
赤ら顔の方の肌はバリア機能が低下していることが多く、スキンケアが非常に重要です。以下のような指導を当院では行っています。
洗顔
保湿
紫外線対策
また、当院ではドクターズコスメ(医療機関専売品)も多数取り扱っていますので、肌タイプに応じた提案を行っています。
よくある質問
赤ら顔は完治しますか?
酒さや毛細血管拡張症は体質的な要素もあり、完治は難しい場合もありますが、適切な治療により症状は大幅に軽減できます。
赤ら顔治療は自由診療ですか?
外用薬や内服薬は保険適応される場合がありますが、Vビームやジェネシスといった医療機器は自由診療扱いとなります。
男性も治療を受けられますか?
はい、当院では男性の赤ら顔治療の実績も豊富です。ヒゲ剃りによる刺激で悪化する方も多く、男性特有の生活背景を踏まえた治療を行っています。
赤ら顔の治療は、症状の原因や重症度によって最適な方法が異なります。当院では、皮膚科専門医が丁寧に診断し、複数の選択肢から最適な治療法を提案しています。
赤ら顔にお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
